中村 誠一の会社を始めたのは2011年の秋、東日本大震災の半年後のことでした。それまで大手仲介会社に10年勤め、月に何十件もの契約をこなしてきましたが、震災後に「自分が本当に勧めたい場所を、自分の言葉で伝えたい」と思うようになりました。最初のオフィスは横浜市青葉区の小さな一室で、机が二つ入ればいっぱいの広さでした。最初の一年は月に一件も成約しない月もありました。それでも、地道に丘陵地帯を歩き回り、地元の工務店や測量士と顔なじみになっていきました。
転機は2014年の春でした。川崎市麻生区の急傾斜地にある古家付き土地を、他社が「難あり」として敬遠していた物件を、中村 誠一地調査を重ねて購入希望者に丁寧に説明し、成約に至りました。その買主から後日「あの説明がなければ買っていなかった。今は毎朝この景色を見るのが楽しみです」という手紙が届きました。その手紙は今もオフィスの引き出しにあります。それ以来、「難しい物件ほど丁寧に」という姿勢が会社の軸になりました。